取引の仕訳と転記

By 林耕平
on

仕訳帳

前回の投稿では取引と勘定の借方・貸方の関係を説明しましたが、実際は取引をそれぞれの勘定に直接入力するのではなく、時系列に全ての取引を1つの帳簿に記録していきます。この帳簿を仕訳帳と呼び、それぞれの取引の借方と貸方が勘定科目に及ぼす影響を表示します。また、仕訳帳に記録する行為のことを仕訳と呼びます。

日付 勘定科目名と摘要 借方 貸方t
2021/4/13 現金
   売上
(商品販売)
10,000
10,000
2021/4/14 水道光熱費
  現金
(ガス代支払)
5,000
5,000

各取引について、日付、借方の勘定科目名と金額、貸方の勘定科目名と金額、及び摘要で取引の内容についての簡潔な説明を記載します。

複合仕訳

上記の例の取引では借方、貸方1つずつ、合計2つの勘定科目しか使いませんでしたが、取引によっては3つ以上の勘定科目を使う場合があります。このような仕訳は複合仕訳と呼ばれます。

例えば、10,000円を売り上げ、7,000円を現金で受け取り、3,000円は後日受け取るため売掛金とした場合の複合仕訳は以下のように記帳されます。

日付 勘定科目名と摘要 借方 貸方
2021/4/13 現金
売掛金
  売上
(商品掛売り)
7,000
3,000


10,000

通常仕訳であれ複合仕訳であれ、一つの取引における借方と貸方の合計金額は必ず一致する必要があります。

仕訳帳から勘定への転記

取引を仕訳帳に記帳したら、今度は借方、貸方の金額を各勘定に転記します。全ての勘定科目ごとの取引をまとめた帳簿は総勘定元帳と呼ばれ、全ての事業が保有すべきものです。転記は、仕訳帳から総勘定元帳へと行われます。

例えば、前述の複合仕訳の取引を仕訳帳から総勘定元帳に転記する場合は以下の通りになります。

  1. 現金勘定に日付と借方金額の7,000円を転記。
  2. 売掛金勘定に日付と借方金額の3,000円を転記。
  3. 売上勘定に日付と貸方金額の10,000円を転記。

現金

日付

借方

貸方

残高

2021/4/13

7,0007,000

売掛金

日付

借方

貸方

残高

2021/4/133,0003,000

売上

日付

借方

貸方

残高

2021/4/13

10,00010,000