貸借対照表と損益計算書の関係

By 林耕平
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この記事では、貸借対照表と損益計算書がどのようにつながっているかを見ていきます。

まず、損益計算書がある一定期間の利益を示す書類だということは前回の投稿で説明しました。
そして、貸借対照表はある特定の日の財務状態を示す書類です。
ということは、もしある一定の期間に利益が出て入れば、その分だけ財務状態は改善されているはずですし、反対に損失が出ていればその分だけ財務状態は悪化しているはずです。
つまり、ある一定期間の始めと終わりの2つの貸借対照表を比べると、同じ期間の損益計算書の利益の分だけ変化があるべきです。

具体的には、貸借対照表の純資産の増減が、損益計算書の純利益の部分と一致します。

期末の純資産 - 期首の純資産 = 当期純利益または純損失

これは、図で見てみるとわかりやすいかもしれません。 例えば、期首で以下のような貸借対照表があったと仮定します。

資産
400
負債
100
純資産
300

そして、今期の損益計算書が以下の通りだと仮定します。

収益 110
費用 10
純利益 100

この場合、期末の貸借対照表は以下のようになります。

資産
500
負債
100
純資産
400

まず資産が100増えていますが、これは仮に収益の110を現金で受け取ったとすると、現金は資産ですから資産が+110、費用も現金で支払ったと仮定すると資産が-10で、合計で期末の資産が期首に比べて100増えることになると理解できます。そして、純資産は損益計算書の純利益の分だけ100増えていることがわかります。

つまり、以下の通り前述の方程式が成り立ちます。

期末の純資産 (400) - 期首の繰越利益剰余金 (300) = 当期純利益または純損失 (100)

ところで、以前の貸借対照表の記事で、貸借対照表の左右は一致し、以下の式で表すことが出来ると説明しました。

資産 = 負債 + 純資産

この式を、今回解説した貸借対照表と損益計算書の関係性に当てはめると、以下のようになります。

資産 = 負債 + (期首純資産 + 純利益)

さらに発展させて、収益と費用もこの式に当てはめることが出来ます。

資産 = 負債 + (期首純資産 + 収益 - 費用)

上記の例に当てはめると、以下の通りになります。

資産 (500) = 負債 (100) + (期首純資産 (300) + 収益 (110) - 費用 (10))

簿記では資産、負債、純資産、収益、費用という5つの勘定科目の種類がありますが、この式はその5つ全ての関係性を表していることから、これを理解して覚えると簿記の理解が一気に進みます。