簿記上の取引の説明

By 林耕平
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前回の投稿で、簿記で使われる5つの勘定カテゴリーは以下の式で表されることを学びました。

資産 = 負債 + 純資産 + 収益 - 費用

簿記上での取引は、常に上記の5つの勘定科目カテゴリーのどれかに金銭的な変化を及ぼします。

別の言い方をすれば、事業活動の中で上記の項目の変化を伴わないものは、簿記では取引とはみなさず、帳簿には記録しません。

例えば、以下のような行為は間違いなく事業活動の一環ではありますが、上記の5つのカテゴリーに変化を起こさないので、簿記では記帳しません。

  • 従業員を雇用した。
  • 取引先とオンラインミーティングを行った。
  • 同僚のチャットメッセージに返信した。

但し、上記の活動の結果、以下のような簿記上の取引に結びつく場合は、記帳を行います。

  • 従業員を雇用した結果、月末に給与を支払った。(給与は費用を増加させ、会社の現金や預金は減少するため)
  • 取引先との商談の結果、売上を計上出来た。(売上は収益を増加させ、現金や売掛金などの資産を増加させる)
  • 同僚とのチャットメッセージのため、通信費が発生した。(通信費は費用を増加させ、未払金などの負債を増加させる)

また、取引の記帳後でも、簿記の方程式は常に左右が同額とならなければなりません。例えば、もし資産が増加する場合は、同じ額だけの1) 他の資産の減少、2) 負債の増加、3) 純資産の増加、4) 収益の増加、5)費用の減少、のいずれかが発生しなければなりません。